不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

ウラディーミル・フェドセーエフ指揮チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ《フェドセーエフ80歳記念ツアー》

19時〜 サントリーホール

  1. チャイコフスキーフェドセーエフ編曲):オペラ『エフゲニー・オネーギン』から「3つのシンフォニック・パラフレーズ
  2. チャイコフスキー:弦楽のためのセレナードハ長調op.48
  3. チャイコフスキー交響曲第6番ロ短調op.74《悲愴》
  4. (アンコール)チャイコフスキーバレエ音楽『眠りの森の美女』から「パノラマ」
  5. (アンコール)チャイコフスキーバレエ音楽白鳥の湖』から「スペインの踊り」

 旧名モスクワ放送交響楽団の演奏会であります。そしてそのシェフのフェドセーエフも早80歳。そうは見えないほど指揮台上の動きは軽快(というか柔らかい)。テンポも別に遅くならず、音楽は年齢を全く感じさせません。こういう爺さんもいいな。
 演奏内容ですが、若干オーケストラが荒れていて、数年前に聴いた時の方が状態は良かったように思います。が、アンサンブルは「緩い」ってほどじゃないし、音そのものは実に力強い。静かな箇所でのニュアンス付けも十分におこなっており、演奏通しての満足度は非常に高いものとなりました。感傷に拘泥せず、あくまで絶対音楽の観点から、確かなスコアリーディングを元に構成的に迫るアプローチであり、純粋に楽しめたと思います。
 客席はあまり埋まってませんでしたが、その分「好きな」人が多かったようで、客席も静かに集中して聴いてました。メインが《悲愴》なんでその効果は倍増。こういう雰囲気は嫌いじゃないです。