不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

読売日本交響楽団第146回オペラシティ・マチネーシリーズ

14時〜 東京オペラシティコンサートホール

  1. ドビュッシー:小組曲
  2. サン=サーンス:ハバネラop/83
  3. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソop.28
  4. サン=サーンス交響曲第3番ハ短調op.78《オルガン付き》
  5. 【アンコール】プッチーニ:歌劇《マノン・レスコー》間奏曲

 ハイテンションの演奏でありました。やはり指揮者の本職がオペラということもあって一番の圧巻はアンコール。熱いカンタービレが素晴らしい。カリニャーニはどの曲でもリズムを疎かにせず、細かい所まできっちり弾かせていました。読売日本交響楽団も献身的に演奏しており、たいへんパッショネートで充実した演奏家になったと思います。フランス音楽縛りの演奏会でしたが、おフランスエスプリ云々よりは、ラテン的な陽性が前面に出ていて、非常に面白く聴きました。ただし、アインザッツやらハーモニーの美しさは二の次という感もあり、技術的精度ではもう一段上を望みたくなる瞬間もありました。しかしそれでも、カッと熱い奏楽が聴かれたので、文句はありません。
 南紫音のヴァイオリンは、解釈は真っ当ながら音は切れ味が鋭く、これまた聴き応えあり。また聴こうかなこの人。