不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

ロサンゼルス・フィルハーモニック来日公演(2日目)

サントリーホール:19時〜

  1. ストラヴィンスキー:花火 op.4
  2. ストラヴィンスキーバレエ音楽ペトルーシュカ》(1947年版)
  3. ドビュッシー:海
  4. ラヴェルボレロ
  5. (アンコール)シベリウス:劇音楽《ペレアスとメリザンド》より メリザンドの死
  6. (アンコール)ファリャ:劇音楽《恋は魔術師》より 火の踊り
  • ロサンゼルス・フィルハーモニック(管弦楽
  • エサ=ペッカ・サロネン(指揮)

 この日もロス・フィルの実力と、サロネンの楽曲把握能力の高さが証明されました。ただし前半のストラヴィンスキーは、さくさく進み過ぎてやや物足りなかったかも。《ペトルシューカ》の各場面の描き分けは、もちろん絶対的にはかなりの素晴らしさなんですが、前日前半の《マ・メール・ロワ》に比べると遜色があったように思います。匂い立つような空気感も希薄でした。ただし後半は文句なしで、もちろんもっと暗い表情を見せてくれても良かったとは思いますが、《海》と《ボレロ》がどのような「楽譜」かが手に取るようにわかりました。続くアンコールも素晴らしく、《メリザンドの死》では《悲しきワルツ》で覚えたような不満を感じませんでした。これぞまさにシベリウス
 というわけで、2日目も好演が聴けましたが、テンションは1日目の方が高かったように思いました。同じ指揮者・オケ・ホールしかも今日明日なのに、こういう差が出てしまうのが実演の面白いところです。