ハマースミスのうじ虫/ウィリアム・モール
- 作者: ウィリアムモール,William Mole,霜島義明
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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悠然としたペースとテンションで進む、古典的名作(地味め)。推理法や登場人物の性格設定が、イギリスの階級社会に裏打ちされているため、社会正義を読書の愉悦よりも優先するタイプの人間には微妙な作品だろう。ウィリアム・モールが上流階級出身でしかも間諜だったことも、大いに興味深い。しかし、作者はこれらを恐らく全てわかったうえで、皮肉と自虐を込めて書いているのだろう。ラストも粋だ。
上記以外で言うべきことは、川出正樹による解説で言い尽くされている。というわけでこれ以上はゴチャゴチャ言いません。お好きな方は是非是非。