不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

東京交響楽団

  1. ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
  2. ショスタコーヴィチ交響曲第7番ハ長調Op.60《レニングラード
  • 川久保賜紀(ヴァイオリン)
  • ドミトリ・キタエンコ(指揮)

 川久保賜紀のソロは、細身だが求心力が強い、なかなの演奏であった。オケとの息がばっちりというわけでも必ずしもなかったし、もうちょっと音でかくてもいいはずだが、まあ今後に期待ということで。
 交響曲の方は文句なし。キタエンコは、決して慌てたり騒いだりせず、心もち遅めのテンポ設定で、レニングラード(?)の戦いを、丹念に、しかし雄渾に描き出す。東京交響楽団も、指揮者によく応えており、実に満足できる演奏会となった。