不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

  1. プロコフィエフバレエ音楽ロミオとジュリエット》より
    1. モンターギュ家とキャピュレット家
    2. 少女ジュリエット
    3. マドリガル
    4. メヌエット
    5. 仮面
    6. ロミオとジュリエット
    7. タイボルトの死
    8. ジュリエットの墓の前のロミオ
  2. ストラヴィンスキーバレエ音楽春の祭典
  3. (アンコール)グリンカ:歌劇《ルスランとリュドミラ》序曲

 金管中心に、何箇所か《ヒヤリハッと》があったのは残念。しかし、プロコフィエフストラヴィンスキーを、チェコ・フィルの、重心が低く暗い音色による、ヒューマンな演奏で聴けたのは収穫であった。前半も後半も、時間経過とともにオケに熱がこもって来た。ひょっとしてチェコ・フィル、スロースターターなのかな。アインザッツの精度が多少低かったが、それが先述の「ヒューマン」という印象につながっているし、まあいいんじゃないでしょうか。全体的に、大音響の炸裂よりも、静かな場面が美しくて印象に残った。デュトワの指揮は、全曲手堅くまとめていた。相変わらずうまいですねえ。
 なお、《ルスランとリュドミラ》序曲は中庸なテンポ。ゆえにチェコ・フィルの持つ独特の音色が堪能できたことも確かだが、帰宅後ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの65年モスクワ・ライブを聴き、この序曲に関しては、この録音の呪縛から一生逃れられないであろうと確信した。