零崎双識の人間試験/西尾維新
- 作者: 西尾維新,竹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/02/05
- メディア: 新書
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と考えていて、はたと理由に思い当たる。ひょっとしてコレ、西尾維新初の三人称小説ですか?
一人称の維新作品において、我々が面と向かえば良かったのは、極論すれば主人公だけだった。しかし今回は三人称であり、主要登場人物数名の中身に等しく入り込まされる(そう、内面描写について、西尾維新は三人称だからといって決して遠慮しない)。しかもこの数名がいずれも〈殺し名〉に関係する、日陰の生活を営む者たちなのである。また、物語自体、明らかに混沌の度合いを増している。シリーズ直近の『ヒトクイマジカル』と比べてさえ、話の骨子はぐちゃぐちゃだ。これまた〈殺し名〉ゆえと解するのが、作品世界に即して妥当だろう。いずれにせよ、西尾維新が〈いーちゃん〉を通して造営してきた世界、その一端を生で堪能できる。ファンは必読である。
ただ、そろそろ私が付いて行ける限界に到達した観も強く、個人的にはもういいかもなんて思っている。と言いつつ、次も読むだろうが。