八つ墓村／横溝正史

八つ墓村 (角川文庫)

実は初読。

横溝はこれまで全然読まずに放っておいた。読んだことがあるのは、多分『犬神家の一族』だけだなぁ……。なんでこういう状況になったか自分でもいまいちわからん。『八つ墓村』と『本陣殺人事件』、『悪魔の手毬歌』のネタを小学生時代から知ってたからか？

で、『八つ墓村』である。
かなり面白かった。ネタ知っていても読めますな。当然ではあるが。金田一がでしゃばらないのも好感が持ててgood。おどろおどろしいという評判は、確かにそうなんだけど、戦前の探偵小説と比べればかなり緩和されており、ファンタジーとして割り切る必要がないのは好印象。やっぱあれですよ、島田荘司とか新本格以降に直接つながる要素、ふんだんにありますよ。それにそもそも楽しめるのが素晴らしい。歴史的意義だ何だと構えなくても自発的に読んでしまいそう。
私が残しているのは、予想通り宝の山か。というわけで、少々腰を入れて接してみようと思う次第。