不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

夜歩く/横溝正史

夜歩く (角川文庫)

夜歩く (角川文庫)

 東京→岡山の山奥、と舞台が移る作品。こうして同じ作品の中で対比してみると、横溝にとってのライツヴィルが岡山のド田舎であることがよくわかって面白い。東京において横溝は探偵小説の後継者だが、岡山においては完全なオリジナリティを保持している。どちらを好むかという問題はあるにせよ、横溝という作家を理解する上においては重要……なポイントになるのだろうか。金田一以外も読んでから判断したい。

 さて、『夜歩く』の出来だが、実に素晴らしいと思う。どこがどうとは言えないし言いたくないので、今日はこれまで。(午前様なんで眠いとも言う)