フレームアウト／生垣真太郎

フレームアウト (講談社ノベルス)

メフィスト賞史上最高とのふれこみだったが、当然のことながらそんなはずはなく、読む前からうっすら予想できたことでもある。と思いつつも買ってしまった俺は何？　講談社の営業センスが一枚上手だったわけかな。ブラック企業のリーマンとは格が違いますな。
ま、他にめぼしい新刊がなかったのが一番でかいんだが。

ただし駄作ではない。映画がどうこうとの薀蓄で作品のほぼ全てが支配されており、ここは不思議とうざくない。わかりやすく書けているというのもあるし、作者の熱気に乗せられたってのもあろう。ネタそのものは国内某作家、雰囲気は、ある意味ドロンフィールドに似て、ちょっと奇妙なお話っぽいミステリになっている。だから個性がオリジナルかとなると一旦は判断保留させてほしい。ま、そういうこった。