幽霊島の戦士―グイン・サーガ外伝10/栗本薫
幽霊島の戦士―グイン・サーガ外伝(10) (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 栗本薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1997/06/01
- メディア: 文庫
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喋る鴉、生きている剣、亡霊、蠢くミイラ、疑似生命の化け物、相変わらず妖しい《死の娘》タニアなど、ファンタジー要素が極めて強い。これはサーガ本編ではあまり強調されない要素であり、作者が本編と外伝でその性質を異にしたかったことは明白である。さて肝心の内容だが、ストーリーも雰囲気もうまく描けている。この街の話はもうしたではないか、と思う部分もあるのだが、今回は登場人物に人外しかいないので、また別の雰囲気が出せており「焼き直し」批判を回避できている。本編ではこの頃、ゴーラでの権謀術数を延々と締りなく描いているのだが、この外伝『幽霊島の戦士』はなかなかの出来栄え。明らかにつまらんと思う人は少数派だろう。
ところで、ザザは(今のところ)いいキャラですね。