新日本フィルハーモニー交響楽団
- ブルーノ・レオナルド・ゲルバー(ピアノ)
- 栗友会合唱団
- クリスティアン・アルミンク(指揮)
ゲルバーのピアノが良くも悪くも重厚。ミスタッチと思わせる部分は少なからずあったし、リズムが重いので躍動感があまり出ておらず、それがこの曲に相応しいかは疑問である。しかし重く演奏することでこの曲の意外な一面を強調していたのも確かで、一概に否定できないと思った。新日フィルの伴奏は、重くはないが躍動感もさほどなく、なだらな・繊細気味な演奏を心がけていて、ゲルバーとコンセプト上の齟齬はない。ただこの曲に関して、私は、ブロンフマン+ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルが忘れられないので、何を聴いても色褪せる……。
後半のロクシンは初聴となる。合唱まで繰り出される大曲というわけだが、全体的に暗く、音響やメロディーに淫しないストイックな作風。ラストの慰安も最小限度。演奏はオケも合唱も終始ピンと緊張感を保っていて良かったと思う。
有名曲の個性的な演奏と、マイナー曲の良い演奏の組み合わせで、それなりに楽しかった。