不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  1. ミヨー:バレエ音楽《屋根の上の牡牛》Op.58
  2. ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
  3. ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
  4. (アンコール)ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
  5. プーランクシンフォニエッタ
  • 野原みどり(ピアノ)
  • マウリツィオ・ディーニ・チアッチ(指揮)

 非常に洒落たプログラムだと思ったわけで、神奈川フィルという高いリスクを冒して行ってみた。
 指揮者は舞台への登場・退場、お辞儀等々が物慣れていないというか、シャイというか、こそこそしているというか、どことなく変だった。でも指揮の動きは、ノリが良く、かつわかりやすいものであった。音楽全体の見通しが素晴らしく、サウンドも濁らない。オーケストラも健闘しており、浮き立つような音楽を作り上げていて(まあそういう曲揃いですが)好印象。ピアノの野原みどりも、たいへん丁寧な奏楽で不満なし。こうなると、多調のミヨー、均整美のラヴェル、楽しいプーランクと、各曲の魅力を堪能できるわけで、美味しそうなプログラミングが十全に機能するわけです。
 結果がハイリターンとなり、大満足。この指揮者とピアニストは記憶しておこう。