鬼の言葉/江戸川乱歩
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/02/10
- メディア: 文庫
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とはいえ、江戸川乱歩という一人の探偵小説好きの、強い思い入れは痛いほど感じられる文章が揃っている。「一人の芭蕉の問題」は何度読んでも胸が熱くなってしまう。そもそも、自分でも内心それほど信じていなくても、情報量の少ない御世に探偵小説ファンを増やさんと、確信犯的に煽り口調の文章を書いた面だってあるだろう。加えて、これほどまとまった量の《論》を書けば、いつかボロが出るのは不可避である。私自身はもちろん、多くのサイト持ち・日記持ち・blog持ちが、時に「ん?」ということを書くのも、そのせいなのである。さらには、全集を読む楽しさには、作者の眼高手低ぶりを生温かく見守ることも含まれる。だからこれはこれでいいと思う。
乱歩の主張を真に受けるのはどうかと思いますがね。