不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

芸術水準維持のため

2004/2005シーズン・オペラ「ルル」(2005年2月8日初日)につきましては、本日まで劇場の音楽スタッフが全力で音楽稽古を行って参りましたが、非常に高度な芸術的レベルが要求される作品であり、新国立劇場といたしましては高い水準を維持した公演を聴衆の皆様に観劇いただくため、本公演を3幕版から2幕版に変更して公演することとし、アルヴァ役永田峰雄が降板、代役として高橋淳が同役で公演することといたしました。
 3幕版から2幕版に変更することに伴い、15歳の少女役・木下周子、その母役・与田朝子、女流工芸家役・背戸裕子、新聞記者役・成田博之、召使い役・大久保光哉、警部役・羽山晃生の出演はございません。
演出家、指揮者も3幕版上演を強く希望しておりましたが、芸術水準維持のためには、2幕版への変更が最善の方法と判断し、両氏も同意してくださいました。
  このような結果となりましたことを大変遺憾に思っております。この責任は芸術監督である私にございます。心よりお詫び申し上げます。
 何卒、皆様のご理解を御願いいたします。
新国立劇場 オペラ芸術監督
トーマス・ノヴォラツスキー
 なお、ご希望の方には払い戻しをお受けしますので、1月20日(木)から公演当日までに新国立劇場ボックスオフィスでお手続きいただきますようお願い申し上げます。

新国立劇場HPより)

 驚愕しました。「マトモな歌唱は無理なんで、短くして*1誤魔化します」と言っているようにしか聞こえないんですが。いいのかそんなんで。と言うか、佐藤しのぶとかキャスティングし出す前に気付けよそんなこと。アホですか? このままだと評判がますます悪化しますよ。どうするんですか一体。まあ元から行くつもりないんでどうでもいいですけど。だってあの配役、特に主役とか見て不安にならないクラシック好きがいるわけねーだろ。佐藤しのぶは素晴らしい歌手なんだ!と信じ込んでいた人々には高い勉強料になったかも……って、払い戻しありだから損はこかないわけか。

*1:と言っても、《ルル》の第三幕を完成させる前にベルクは死んでおり、第三幕はツェルハの補筆となる。第三幕まで上演するか否かは割と問題になるが、近年は第三幕も含めて上演するのが一般化しつつあり、新国立劇場もそれをむしろ売りにしてチケットを捌いていたはず。ヤレヤレ。