ベルギー王立モネ劇場
声楽陣は概ねとても充実していました。不満があるとすれば、唯一ドン・オッターヴィオかな。予定のブッキングによる急な代役と聞き及んだが、無責任な聴衆としては斟酌すべき必要を感じないしね。
それにしてもこのオペラは素晴らしい。いつもは楽しい素振りを一応見せるモーツァルトが、なりふり構わず軽重明暗一切合財、自らの持つ全てを曝け出すかのような超傑作。あまりにも素晴らし過ぎて、聴き終わった後どっと疲れる。お腹一杯、もういいですという感じになる。でもこれは心地良い、極上の疲れなのである。
演出はわかりやすく、舞台もとても美しかった。大野和士の必殺技・チェンバロ弾き振りも見れたし、非常に楽しめた三時間半であった。こういうの経験すると、また外来オペラ行こうという気になるんだよなあ……。危ない危ない。