NHK交響楽団
- モーツァルト:《ドン・ジョヴァンニ》K.527〜序曲、レチタティーヴォとアリア「彼女こそわたしの宝」
- モーツァルト:《魔笛》K.620〜序曲、アリア「なんと美しい絵姿」
- モーツァルト:《イドメネオ》K.366〜序曲、アリア「海の外なる胸の内の海は」
- モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551《ジュピター》
- ヘルベルト・リッパード(テノール)
- ピンカス・スタインバーグ(指揮)
本日をもって、05/06シーズンの開幕を高らかに宣するものである。
《ドン・ジョヴァンニ》序曲こそ気乗り薄、その後は調子をやや上げ、ゴム鞠が跳ねるような、滑らかさと弾力性を兼ね備えたモーツァルトが聴けた。しかし、終始ずっとそれだけだったような気もする。たとえば《ジュピター》のフィナーレで、栗鼠や二十日鼠がちょこまかと走り回るような風情を帯びたのは、曲が曲、しかも編成大きかっただけにこれはこれで凄いのかもしれない。しかしちょっとなあ。一本気というか単調というか……。一ヵ月後には完全に忘却してそうな演奏会。
あ、アリアは良かったですよ。それほどうまくはなかったけど、楽しそうに、気持ち良さそうに歌っていて好感を持った。