不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

年度ベスト10

 《このミス》も出てしまい、遅きに失した感もあるが、03年11月〜04年10月の新刊の、国内海外別のマイベスト10を発表に及ぶ。ご笑覧に浴すれば光栄である。

【国内ベスト10】

  1. 膚の下/神林長平
  2. 綺譚集/津原泰水
  3. 生首に訊いてみろ/法月綸太郎
  4. 紅楼夢の殺人/芦辺拓
  5. アルファベット・パズラーズ/大山誠一郎
  6. 熱帯/佐藤哲也
  7. 太陽の塔森見登美彦
  8. 薔薇密室/皆川博子
  9. 空の境界奈須きのこ
  10. 剣と薔薇の夏/戸松淳矩

 特にコメントなし。ただ、『象られた力』って新刊扱いでいいの? いいんだったら、多分4位に突っ込んで、『剣と薔薇の夏』は割愛します。

【海外ベスト10】

  1. ケルベロス第五の首/ジーン・ウルフ
  2. ふたりジャネット/テリー・ビッスン
  3. 不思議のひと触れ/シオドア・スタージョン
  4. 夜明けのエントロピーダン・シモンズ
  5. 誰でもない男の裁判/A・H・Z・カー
  6. 蛇の形/ミネット・ウォルターズ
  7. 魔術師/ジェフリー・ディーヴァー
  8. サンセット・ヒート/ジョー・R・ランズデール
  9. ファイナル・カントリー/ジェイムズ・クラムリー
  10. フェッセンデンの宇宙/エドモンド・ハミルトン

 SFの旧き神々が大挙して翻訳された結果、ミステリの影が霞んだ。いい作品たくさんあったんだけど……。奇想コレクションの異常なまでのレベルの高さも、ミステリ及び新作には不利に働いた。