幽霊塔/江戸川乱歩
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/05/13
- メディア: 文庫
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全編乱歩らしい味付けがなされているが、健気なヒロインというのは(色々妙に隠すのでうざいが)意外と珍しいかも。乱歩のヒロインはどうも男の言いなりだったり、珍しく主体性があると思ったら犯罪者だったりするわけで、こういう造形は貴重である。
話そのものは相変わらず語り口がうまく、乗せられてしまう。もちろん傑作ではないが、『緑衣の鬼』と抱き合わせの光文社全集の一巻は、ファンで未読ならば接しておくべき一冊だと思う。
(2008年3月13日追記)原作はA・M・ウィリアムスン『灰色の女』。08年2月、論創海外ミステリで遂に翻訳されました。