不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

アリーナ・イブラギモヴァ&セドリック・ティベルギアン ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 第3日

19時〜 王子ホール

  1. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第6番イ長調Op.30-1
  2. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調Op.12-3
  3. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47《クロイツェル》
  4. (アンコール)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24《春》より第二楽章
  • セドリック・ティベルギアン(ピアノ)
  • アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)

 第6番の第一楽章で、隣席の客に結構大きな声で怒り出す高齢者が出現(目測70歳前後)。どうも演奏中に書き物をしていたのを怒っていたらしい。第6番の演奏中のその後は静かでしたが、拍手になったらまあ怒鳴る怒鳴る。そんな状態では次の曲に映れるはずもなく、係員に取りなされて静かになり、何とか3番の演奏を開始、これはつつがなく終わりました。しかしこの人、休憩中も座席で係員相手に結構大きな声で文句を言い(当然ホール中に響き渡る)、ロビーに出て来て隣席の客絡む。隣席の男も多少言い返しているっぽかったですが、何せ怒鳴る高齢者の方は、自分は正しいと思っているし、頭に血が上っているしということで、演奏中に普通の音量で汚い言葉を発する&休憩中もホワイエででかい声で「お前の方がバカだ」と言う、自分の方が見苦しいし聞き苦しいということには理解が及んでいないようでした。スキンヘッドのちょっとガタイの良い中背の係員に連行されて、結局後半は消えてました。王子ホールの職員の方々、お疲れ様でした。個人的には、舞台裏に連れて行って「テメエいい加減にしろよ」ぐらいのことはやってもいいと思います。
 さて演奏ですが、最終日ということもあってか、前二日よりも更に集中度の高い演奏が聴けました。イブラギモヴァもティベルギアンもノリノリ。フォルムをかっちり決めた上でありったけの情熱を注ぎ込んだ《クロイツェル》が白眉。アンコールが昨日聴き逃した《春》の楽章だったのも、個人的には嬉しかったところです。