不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

読売日本交響楽団

19時〜 サントリーホール

  1. ブリテンラクリメ〜ヴィオラ管弦楽のための 作品48a
  2. ブリテンシンフォニア・ダ・レクイエム 作品20
  3. ウストヴォーリスカヤ:コンポジション第2番《怒りの日》
  4. ストラヴィンスキー詩篇交響曲

 超久々の更新。一行だけでもいい(ことに自分の中ではする)から感想だけは復活させよう、という方針でござる。
 祈りと畏れをテーマとしたプログラミングであったように思う。前半のブリテンは、ラクリメの独奏がオーケストラの首席ヴィオラ奏者。これも悪くありませんでしたが、フル編成となって鋭く楽想をえぐり込んだ《シンフォニア・ダ・レクイエム》が素晴らしかったです。カンブルランの統率力が本日一番光っていた演目でもありました。
 後半の一曲目は、ピアノとコントラバス8本、そしてなぜか叩くために木の箱があるという謎の編成による一曲。演奏者は全部で10人しかいないんですが、カンブルランはちゃんと指揮台に登って指揮してました。そしてプログラム冊子に書いてあったとおり、確かに随所で《怒りの日》のリズムや楽想が……。上級者向けの演目であったことは確かですが、リズム重視のなかなか楽しい音楽体験。こういう編成でのハーモニーもめったに聞けないしね。そしてメインの《詩篇交響曲》はさすがの出来栄え。もっとも素晴らしかったのは合唱団ですが、それに雲のように付き従う伴奏を見せたオーケストラは見事。そしてカンブルランの鋭く透明度の高い解釈により、この曲が題名どおり宗教的な何かを見据えていることが顕在化していました。
 これにて私にとっての2013〜2014シーズンは開幕。今年は回数を大幅に減らす予定ですが、さてどうなることやら。