不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

東京都交響楽団第742回定期演奏会

19時〜 東京文化会館

  1. ブラームス交響曲第3番ヘ長調
  2. ブラームス交響曲第1番ハ短調

 一貫して割と速めのテンポ(極端にではないですが)。前半の3番は繊細にオケを鳴らしており、寂寥感が強かったと思います。侘び寂びすら感じさせる、深まる秋にピッタリの仕上がりであったと思います。あんまりロマンティックじゃなかったのも、日本の秋には合ってると思うよ。後半の1番は熱気ムンムン、デフォルメはあまりなく、ストレートな筋運びながら随所で注目して欲しいパートを強調するなど、技を多用(これ自体は前半も同じ)。会場は大いに盛り上がっておりました。
 東京文化会館のドライな音響を活かしており、強奏部でどんなに強調しても音が飽和しないので、全篇にわたってかなりクリアな印象を受けました。こういうブラームスもいいなあ。なお都響サウンド自体はピラミッド形の重厚なもので、お腹いっぱいになりました。終演は21時前だったけれど、これ以上もう入りません、的な満足感が残った。