フェスタ サマーミューザKAWASAKI 2012 日本フィルハーモニー交響楽団
19時〜 川崎市多摩市民館
ジョゼフ・ウォルフはコリン・デイヴィスの実子である。なぜこの姓名にしているのかは知らんけれど、親父との関係性をあからさまには打ち出したくなかったんだろうなあ……。カルロス・クライバーがそのキャリア初期に別名義を使っていたのと同じような感覚かしら。
さて演奏である。《未完成》《グレート》いずれも非常にプレーンな印象で、虚飾を排した素直かつまっすぐな演奏で、そこにうっすらと、本当にうっすらと《雰囲気》の味付けがなされている感じ。悪い演奏では決してないのだが、所々で聴かれる柔らかい良い感じのサウンドが、どうも長続きしない。弦楽器はともかく管楽器があまり歌わず、特に《グレート》が退屈な演奏にすら感じられた。市民会館のデッドな音響に引きずられたのかも……。楽団員があまり楽しそうでなかったのも印象的。大して上手くないあなた方がN響のようなむっつり顔でどうする、などと失礼な想念にすら駆られたが、ひょっとすると指揮者とうまく噛み合わなかったのかもなあ。