不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

クァルテットの饗宴 ジュリアード弦楽四重奏団

19時〜 紀尾井ホール

  1. ハイドン弦楽四重奏曲第57番ト長調Op.54-1, Hob.III-58《第1トスト四重奏曲第1番》
  2. マルティーノ:弦楽四重奏曲第5番 (2004)
  3. ベートーヴェン弦楽四重奏曲第13番変ロ長調Op.130/133《大フーガ付》
  4. (アンコール)ハイドン弦楽四重奏曲第31番変ホ長調op.20-1より第2楽章
  • ジュリアード弦楽四重奏団弦楽四重奏
    • ジョセフ・リン(1stヴァイオリン)
    • ロナルド・コープス(2ndヴァイオリン)
    • サミュエル・ ローズ(ヴィオラ
    • ジョエル・クロスニック(チェロ)

 完熟の演奏で、とにかく音がまろやか。ストバイのみ三十代ですが、他三名はロートルという現在のジュリアード弦楽四重奏団には、正直あんまり期待してなかったんですが、解釈面はもちろん、技術的にも何ら問題はなく、ハイドン、マルティーノそしてベートーヴェンをいずれも、たおやかに、滑らかに演奏していました。大フーガすらそうなのだから恐れ入る。ただし、個人的にはもっと尖がってる方が好み。またサウンドそのものに最初は驚くけれど、その後モードが全く変わらないまま進むため、正直申し上げて、ちょっと退屈でございました。この手の、流麗だけれども味わい深い音楽を真に楽しむには、あと30年から40年は時間がかかるかも知れません。あるいは人生の上でもっと何かでかいことがあったらそう感じるのかもね。
 なおアンコールの際に曲目を紹介したのは、ヴィオラのローズでした。