不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

東京交響楽団第592回定期演奏会

18時〜 サントリーホール

  1. シューマン:チェロ協奏曲イ短調op.129
  2. ブラームスシェーンベルク:ピアノ四重奏曲第1番ト短調op.25

 短いプログラムで、ソリストのアンコールもなかったため、19時40分過ぎには終わってました。おかげでミス連にも思ったより早くから参加できましたありがとう。しかし、演奏内容は時間に関係なくとても充実しており満足しました。
 宮田大は今日初めて聴きましたが、良いチェリストで将来性も十分だと思われました。第一楽章前半こそミスも散見されましたが、次第に調子を上げて、適度に構成的、適度にロマンティック、そしてとても爽やかな演奏を披露。東響もスケール豊かな素晴らしいサポートを見せて、大変がっちりした仕上がりになっていたと思います。ソロとオーケストラの掛け合いは息がぴったり合っていて、シューマンの音楽を堪能できました。……終演後の拍手はあんまり盛り上がってなかったけれど、どうしてかしら。
 後半のブラームスシェーンベルクは、楽曲はどこからどう聴いても室内楽そのものなのに、オーケストレーションが壮麗の極みでそのミスマッチ感が本当に楽しかったです。大友直人はよくも悪くも変なことを一切しない指揮者なんですが、それが次第に良い方向に転ぶことが多くなっており円熟して来たと思うんです。今日はそれが結実しており、無理矢理感満点のシェーンベルクオーケストレーションを、包み隠さず全力で開陳していました。オーケストラの仕上がりも見事で、名演奏になったものと思います。
 ところで今日はNHKホールの直後にサントリーホールに移動したわけですが、音響の差に驚かされました。本当にまるで違うんだよなあ。サントリーホールの圧勝なのは当然として、東京交響楽団の音そのものが好きであることを今日認識しました。読響も都響も好きではあるけれど、聴いているだけでホッとするというか、いや本当に良い音出してます。在京オケの中では一番好きかな。