ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会2
トッパンホール:18時〜
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調op.2-1
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調op.2-2
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調op.2-3
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57 《熱情》
- ティル・フェルナー(ピアノ)
全曲演奏シリーズの第2回目。1回目(去年の12月23日)には行けませんでした。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタの持つ運動性に注目した演奏で、特にop.2の3曲にはそれが顕著。フォルムも非常に明快で感心しました。ハキハキ・ハッキリした音を出すのも好印象でしたが、この副作用としてミスタッチが目立ってしまったんですよね。致命的に崩れることもなく、音楽全体の堅牢な構成は全然ブレないので「下手」だとは思いませんが、多少気になったのは事実です。あと、強奏部で音が割れ気味になってました。これも、ハッキリしたタッチの副作用なんでしょうか。まあここら辺は些末事ですよね。全体的にはいい演奏でした。《熱情》の終楽章をやや遅めのテンポで仕上げていたのにも感心しました。なるほどこのスタイルだと弾き飛ばせないですよねこの手の楽章は。熱は篭ってましたけどね。晴朗な気分になりましたですよ。
このピアニストで他の28曲を聴きたくなるかどうかはちょっと微妙ですが、最後の3つをこのスタイルでどう仕上げるのか(あるいはスタイルを変えるのか)には興味があります。
私の前の方に座っていた高年者が、ミスタッチの度に大袈裟に首を傾げるのには感心しませんでした。そうやってミスに気を取られていると、全体的に何がおこなわれているかを聴くのが疎かになって良くないと思います。あと、嫌味ったらしい言動は単純に見苦しい。