新国立劇場
新国立劇場:19時〜
- カリーネ・ババジャニアン(蝶々夫人)
- マッシミリアーノ・ピサピア(ピンカートン)
- アレス・イェニス(シャープレス)
- 大林智子(スズキ)
- 松浦健(ゴロー)
- 島村武男(ボンゾ)
- 龍進一郎(神官)
- 工藤博(ヤマドリ)
- 山下牧子(ケート)
久しぶりのクラシックの公演、そして初の実演プッチーニ。
蝶々夫人とピンカートンが声も良く伸びており、モンタナーロ指揮下の東響も、冒頭はちょっと混濁気味でしたが次第に持ち直し充実したサウンドを聞かせてました。他の配役も下手な人はおらず、音楽的には文句なしです。ぶっちゃけ二幕後半は若干目が潤んだ。
見た目の方は、まあ蝶々夫人はそこそこなんですが*1ピンカートンがメタボっつーかピザだったのが残念かな。他の配役は可もなく不可もなしでしたが、ピンカートンのアメリカでの嫁さんであるところのケートが、配役をご覧いただければわかるように日本人なので、蝶々夫人役がどこからどう見ても外人であることと比較して、やや微妙な気分になりました。黙役だったら外人モデルか何かを雇えば済むんですが、残念なことにこの役、ちょっと台詞があるんですよね。
舞台装置は、第一幕・第二幕通して同じ。ピンカートンが借りた屋敷+階段+その上にピンカートンが日本にいる際にはアメリカ国旗*2が、というもの。花びららしきものが一面に散らされており、登場人物はそれを適宜いじってました。照明を工夫して雰囲気を変えていたのは結構面白かったです。
こういうシンプルな舞台は、音楽が充実してないと映えないのである意味冒険ですが、今日はうまく行っていました。ただ、蝶々夫人が胸を刺した後(つまり後奏の部分)、障子が開いて蝶々夫人の子供が出て来る+照明が一気に明るくなり、蝶々さんがばったりと倒れて一気に暗転するのは、やり過ぎというか間が持たないと思いました。あそこで正直ちょっと冷めた。オペラの演出とは、演劇と違って音楽に振り回される分、やっぱり難しいものですなあ。