ウィーン国立歌劇場来日公演(千秋楽)
東京文化会館:15時〜
- ドニゼッティ:歌劇《ロベルト・デヴェリュー》
- エディタ・グルベローヴァ(エリザベッタ)
- ロベルト・フロンターリ(ノッティガム公爵)
- ナディア・クラステヴァ(サラ)
- ホセ・ブロス(ロベルト・デヴェリュー)
- ペーター・イェロシェッツ(セシル卿)
- 甲斐栄次郎(グアルティエロ・ローリー卿)
- 伊地知宏幸(小姓)
- マリオ・ステッラー(ノッティンガム公爵の従者)
- トーマス・ラング(合唱指揮)
- ウィーン国立歌劇場合唱団(合唱)
- ウィーン国立歌劇場管弦楽団(管弦楽)
- フリードリッヒ・ハイダー(指揮)
タグが「演奏会」なのはミスではありません。演奏会形式上演だったわけです。
他のキャストも良かったし、オケもいい音を出していた(コンマスはキュッヒルでした)わけで、総合的な完成度は高い上演だったわけですが、場を支配したのはエディタ・グルベローヴァただ一人。グルベローヴァすげえええええ! という印象しか残ってない。1946年生まれだからもう60歳越えていることになります。広い音域を飛び越える局面ではちょっと声を出しにくそうにしていたのも事実です。でもそれが全然気になりません。というか、絶対的な水準が高過ぎて気にすることができませんでした。
今日私がこの目で見てこの耳で聴いたものは、確実に数十年に一度の逸材の至芸であって、同種の演目でこれに匹敵するほど凄い声はもう聴けないかも知れません。そう思わせる――いや、確信させられる演奏会でした。グルベローヴァの実演に接したのはこれが初めてですが、なるほどこれは完全に不世出の大歌手です。声そのものに完膚なきまでに叩きのめされる(声量的な意味では必ずしもないです)経験は、せっかくの人生ですので、一度くらいはしておきたい。今日は紛れもなく、その体験ができた日となります。本当に素晴らしかった。
なお本日がウィーン国立歌劇場来日公演の千秋楽だったようで、カーテンコール時に、次は2012年にお会いしましょうという垂れ幕が天井から下がってきました。次はウェルザー=メスト治下での来日となるでしょうが、高野史緒さんは行くんでしょうか。
ところでこのオペラは、イングランドを舞台にしており、エリザベッタは女王です。エリザベッタを英語読みするとエリザベスとなりますよね。そして彼女の父親は「エンリーコ八世」であるらしいので、モデルが誰かは丸わかりですね。ストーリーも実話ベースです。とりあえずwikipediaにリンク貼っておくので、ご興味ある方はどうぞ。