不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演・川崎公演

ミューザ川崎シンフォニーホール:16時〜

  1. ヴェルディ:オペラ《ジョヴァンナ・ダルコ》序曲
  2. ヴェルディ:オペラ《シチリア島の夕べの祈り》からバレエ音楽「四季」
  3. チャイコフスキー交響曲第5番ホ短調op.64
  4. (アンコール)ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《マリアの調べ》

 ウィーン・フィルの明るいノーブルな音色を堪能できました。ムーティの指揮も締まっていたように思います。木管群が(日フィルのそれなど問題にならないほど)ニュアンスを散らしてくれるのもいいです。ただし、正直それだけだったような気がしないでもない。金管はいまいち(特にホルン)だったし、チャイ5のフィナーレを除き、どうにもテンションまたは緊張感が……。終わり良ければ全て良しとも言うが、ここまであからさまでいいのだろうか。1stヴァイオリンだとコンマスの音だけが目立つなど、「巨大な室内楽」というのが「誉めるためにはやむを得ない」表現というのがよくわかる演奏会でした。明るい音色ってのも良し悪しで、前半のヴェルディから陰影が一掃されていたようにも思う。あれで40分は人によってはキツかろう。今回はハズレだったかも。アンコールでは(アンコールならではの勢いもあって)本領を発揮してました。作曲者の生前は冷遇していたにもかかわらず、シュトラウス一族だとどこのオケにも勝てない演奏をする辺り、色々な意味でさすがです。最後は一般参賀付き。