七番目の仮説/ポール・アルテ
七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)
- 作者: ポール・アルテ,平岡敦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
粗筋紹介だけで結構ゴタゴタしてしまったが、これはまだ序盤に過ぎない。この後もストーリー上には不可思議な謎やシチュエーションが次々に繰り出され読者を幻惑する。解決編に至るまでのカオス度は、既訳のアルテ作品中、一、二を争うだろう。しかし最後はしっかりまとめてくるのだから、さすがはアルテといったところである。人間関係もドロドロしており、鬼気迫る「業」を必要十分に表出して雰囲気を盛り上げる。ケレンの強い本格ミステリが好きな人にはたまらない作品となるはずで、今年の夏もまたアルテの夏になったなあと(本格ファンとして)思われるのであった。