ガーディアン/石持浅海
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/21
- メディア: 新書
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二部構成の長編だが、事実上は“ガーディアン”に関する中編を2編収録しているに等しい。第一部は「なぜ“ガーディアン”は発動したのか?」という謎解き小説で、第二部は「どうやって“ガーディアン”を利用するか?」という小説になる。前作『耳をふさいで夜を走る』同様にミステリ要素の強度はいささか弱いが、登場人物がコンピューターか何かのように、理屈のみで全てを把握し納得していく気色悪さが、今回も遺憾なく発揮されている。ネタ自体は若干シンプルな作品だが、この石持浅海独特の持ち味は健在であり、オンリーワンっぷりが十分に味わえるのだ。ファンにはおすすめである。