ローズマリーの赤ちゃん/アイラ・レヴィン
- 作者: アイラ・レヴィン,高橋泰邦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1972/01/01
- メディア: 文庫
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モダンホラーの名作として世評の高い作品である。ローズマリーの不安が正鵠を射ているのか、それとも単なる神経過敏なのかはっきりしないまま、サスペンスを次第に高めていく。妊娠の喜びと不安が交錯するのも、物語に強い緊張感と吸引力を与えている。ここら辺はアイラ・レヴィン、実にうまい。そして衝撃的なラストが訪れるのである。奇想天外な真相が表れる、などというオチではないが、人間心理を実にうまく突いていると共に、ローズマリーのキャラクターの周到ば描出の結晶である。全体的な完成度も高いので、是非一読をすすめたい。