流星の絆/東野圭吾
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/05
- メディア: 単行本
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もはや演歌なタイトル、帯で展開の三分の二が堂々とばらされるなど、パッケージングには少々問題がある。しかし物語そのものは、高いリーダビリティと読者の感動を誘う要素によって成功が保証された、一気に読める良い娯楽小説となっている。展開には若干のご都合主義が付きまとうが、先述の高いリーダビリティにより、有無を言わさず読者を物語に引き込んでしまうのが、本書の最大の強みだろう。真相もなかなか面白いが、個人的には、事件の構造が登場人物にとって非常に皮肉なものになったというところに、東野圭吾一流の《悪意》を見た。