通訳/ディエゴ・マラーニ
- 作者: ディエゴマラーニ,Diego Marani,橋本勝雄
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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とはいえ、「バカミス」という表現に抵抗がある読者にもこの小説は受け容れられるだろう。先述のとおり筆致がいい感じであり、主人公の孤独感や疎外感が非常に端的に表現されているのが素晴らしい。先述の奇怪なストーリーも、この主人公の心象風景を表徴しているようにも思われ、非常に味わい深い。
というわけで、真面目な読者にも不真面目な読者にもおすすめできる、幻想文学兼バカミスであると思われる。娯楽性はそれほど高くない(「おもてなし」があまりない)ので、そういった作品でも十分に楽しめる人には強くおすすめしておきたい。