Rのつく月には気をつけよう/石持浅海
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (83件) を見る
と言いつつ、作品評価とは無関係に気になった箇所を一点だけ。
揚子江*1はいくつかの理由で間違っている。まずひとつ。うちの会社は食品会社だから、イメージを何よりも大切にする。だから就職試験のときにはっきり言われるんだ。「申し訳ないけど、身辺調査をさせてもらう。君自身に問題がなくても、周囲のトラブルに巻き込まれるのであれば、採用できない」とね。藤岡さんも、エンデン*2も就職活動のときに同じことを言われている。そしてエンデンはそれにパスして会社に入ってきているんだ。だからエンデンがこの会社にいる時点で、藤岡さんはエンデンの周囲にトラブルの元がないことを知っていることになる。だから、揚子江が言ったような理由で身辺調査をする理由は、何もない。
人権上、企業が採用時に学生の身辺調査をおこなうのは問題とされており、企業倫理が問われてしまいます。もし万が一実際に調査していても、人事の人は公言しないと思います。石持さんのお勤め先が食品メーカであることは重々承知しているんですが……うーん。これは、食品業界は、就職活動中の学生の身辺調査をして恥じないほど差別意識バリバリだってこと? それとも、石持浅海が推理の材料として考え付いたフィクションですか? どっちなのかハッキリしないと、落ち着きませんです。