不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

ワールドコン

 「スチームパンク/歴史改変」にまず行ってみた。荒巻義雄高野史緒宇月原晴明永瀬唯がパネラーで司会は新戸雅章。まずこの顔触れだけでお腹いっぱい。なぜ作家は歴史改変をするのか……といったテーマだったはずなのだが、結局、理論武装しないと迫害される時代を担った自負のある荒巻氏と、好きなことを好きなようにリコンストラクションすれば良い時代にデビューした高野・宇月原両氏の創作姿勢の差、この場合はつまり世代差が際立っていたように思う。にしても荒巻氏、74歳でトーク時のあの滑舌と反応の良さは立派なものです。
 次は「SF翻訳というお仕事」。浅倉久志山岸真、嶋田洋一、海老原豊、そしてジーン・ヴァン・トロイヤーがパネラー。設問が若干抽象的でしたが、笑いあり驚愕ありの良い企画でした。トロイヤー氏の日本SF翻訳のやり方がかなり超訳過ぎなのと、そう言われた際の他のパネラーの目が泳いでいたのが可笑しかったと同時に、この日本人翻訳者4名はやっぱり大丈夫だと思った。
 続いては「ニューウェーブ/スペキュレイティブ・フィクション」で川又千秋飛浩隆のご尊顔を拝した後、飯野文彦氏のサイン会へ。OB会で貰ったらええやんという気もするが、興奮冷めやらぬ内にというのも一興。面も通ってないしね。そしてその後のラリイ・ニーヴンのサイン会は、かなりの列。本を持ち合わせず、公式プログラムにサインしてもらいました。
 夜はcatalyさん幹事の若者オフへ。この中では高齢者、という人が多い席でビールばかり飲んでおりました。規定に反していないとはいえ、こんなおっさんが顔を出して良かったのか? 話の内容はかなりがっつりした本の話で、とても楽しかったです。