四神金赤館銀青館不可能殺人/倉阪鬼一郎
- 作者: 倉阪鬼一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/06
- メディア: 新書
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短くまとまっているにもかかわらず、実に歪な作品である。名家同士の対立、古くからの因習、来訪する推理作家、密室殺人などなど、探偵小説のガジェットはてんこ盛り。ホラーっぽい雰囲気の盛り上げもなかなかで、たとえばざわざわと森が騒ぐ箇所などは素晴らしい。ここにメタ要素とバカトリックがぶち込まれ、他の作家にはほとんど見られない特殊な雰囲気が醸し出されるのである。爽やかな著者近影も含め、遊び心に満ちたバカミスの逸品といえよう。好事家には強くお薦めしたい。