不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

言いがかり書評

http://www.bk1.co.jp/product/2745821/review/446965

私にとってのヒルは、あくまでダルジール警視シリーズのヒルなんです。だから、この本の情報を見たときも同じシリーズの最新作だと思ったわけです。広告のどこを見ても、ノンシリーズとは書いていないし、なによりダルジールが出てこない、とは謳っていない。なんていうか、これって目撃者が証言するとき、黙ることで「嘘をついてはいない」と強弁する姿に似ていません?

 似てません。というか、全然違います。

すくなくとも、本のどこかにダルジール警視が出ない、と書いてあったら売れ行きは絶対に落ちると思う。そこを考えて、あえて触れずにおいたとしたら、これは「未必の故意」ってえやつじゃあないか、なんて思うんですが、これって下衆の勘繰り、てえやつでしょうか、早川書房さん?

 そうですね、それは下衆の勘繰りですね。
 シリーズもので名を成した作家のノンシリーズ作品には《ノンシリーズ》である旨の断りを入れねばならないという珍説、私は初めて聞いた。しかしこれは暴論である。ちょっと考えればわかることだが、江戸川乱歩の『孤島の鬼』の帯に、明智小五郎は登場しませんなどと特筆大書しろというのだろうか。馬鹿馬鹿し過ぎる!
 そもそも、ダルジール・シリーズに属する作品であれば、粗筋や帯などに「ダルジール登場」とか「パスコー奮闘」などと現に書かれており、おまけに表紙や背に《ダルジール警視シリーズ》と書かれている。それらがないのであればノンシリーズだと考えて然るべき(少なくとも、そのように覚悟して読み始めるべき)であり、それに気付かず「これはダルジールものだ!」と思い込んだのであれば、それは単にその読者個人が注意力散漫だったからに過ぎない。出版社に責任などないことはもちろんである。
 しかし、みーちゃんは、常識のなさを棚に上げ、(読者一般や現代社会の、と詐称した)自分の身勝手な都合のみを出版社に押し付け、あまつさえ出版社を糾弾してしまう。ここまで来れば、単なる意固地なクレーマーでしかない。彼女を「ノンシリーズだと事前にわからなかったのは、お前の怠慢だろ」と問い詰めても、「あたしは悪くない、悪いのはサービス精神に欠ける出版社!」などと叫ぶばかりのはずだ。
 これまでもずっと、みーちゃんはこのような書評を垂れ流しており、出版社と作者を苛烈に責める一方、自らの読みや行動原理、思想の正当性・妥当性・説得力に全く疑念を抱かない。その根底には、彼女自身の思い込み、視野狭窄、独善性(それも強烈なの)があるように思われてならない。ただでさえ評判の悪いネット書評家*1の品位を更に汚す存在として、可及的速やかに排除されるべきであろう。

*1:ワナビ」「重鎮」「業界ゴロ」「馴れ合い」「無責任」「自意識過剰」「あんなファン、要らないよねー」「文壇雀」「舌禍の一群」等々、各地で散々な言われようだ。確信を持って間違っていると断言できないのは辛いところだが……。