狼の一族/若島正(編)
- 作者: フリッツ・ライバー,ジャック・リッチー,アヴラム・デイヴィッドスン・他,若島正
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/01/31
- メディア: 単行本
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- ジェフを探して/フリッツ・ライバー
- 貯金箱の殺人/ジャック・リッチー
- 鶏占い師/チャールズ・ウィルフォード
- どんぞこ列車/ハーラン・エリスン
- ベビーシッター/ロバート・クーヴァー
- 象が列車に体当たり/ウィリアム・コツウィンクル
- スカット・ファーカスと魔性のマライア/ジーン・シェパード
- 浜辺にて/R・A・ラファティ
- 他の惑星にも死は存在するのか?/ジョン・スラデック
- 狼の一族/トーマス・M・ディッシュ
- 眠れる美女ポリー・チャームズ/アヴラム・デイヴィッドスン
異色作家短編集の一冊ということで、奇妙な味の話が多いのか……と思う向きも多かろうが、スラデック、ラファティ、デイヴィッドスンがいる時点で、良い意味で無茶苦茶な作品も一定量含まれているのは予想できる。実際、変としか言いようのない作品も多めにチョイスされており、なかなか楽しい。ただ、イッてしまっている度合いは意外に低く、厳選すれば「ベビーシッター」と「他の惑星にも死は存在するのか?」のみが前衛性を持ち、しかも後者はスラデックにしては意味不明度がまだ甘め。そして、ミステリ・ファンよりもSFファンに強くアピールする作品が揃っている。全体としての質は高く、良いアンソロジーといえよう。
そんな中で個人的なお気に入りは、「どんぞこ列車」「象が列車に体当たり」「浜辺にて」「他の惑星にも死は存在するのか?」「狼の一族」「眠れる美女ポリー・チャームズ」だろうか。いずれも傾向は全く異なりますが。