不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

洪水大陸を呑む/海野十三

海野十三全集 第11巻 四次元漂流

海野十三全集 第11巻 四次元漂流

 過去を覗く機械で、アトランティス大陸の最期を見る物語。
 津波だったら、水が引いたらやっぱり大陸は残るんじゃないかな……というのは野暮な突っ込みなのか、或いは俺の無知を曝け出しているだけなのか。1947年の作品だけに、日本の復興はこれからだ、みたいな雰囲気が流れるのは時代を感じさせて興味深い。あれほど明るく戦意高揚小説書いていた人が、もうこれですよ。大人の事情なのか、それともこっちが本当に本音なのか。後者だと信じたくはあるけれど。