四次元漂流/海野十三
- 作者: 海野十三
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 1988/12
- メディア: 単行本
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海野十三お得意の、SF的探偵小説。作中における、四次元の解説はなかなかだが、ラッカーの『セックスフィア』の方がわかりやすかったようにも思われる。図があるのとないのとでは結構違うものです。
『四次元漂流』の物語の内容自体は、不気味な幽霊騒動がなかなか印象的に描かれており、また一部よくわからない人物動向がある辺り、いかにもこの作家らしくて微笑ましい限りだ。巻頭に置かれている、初出版時の表紙や挿絵での雪子女史の絵は、キリッとしたメガネ・エリート好きにはイケているかも知れない。1946〜47年の作品なので、女性が天才科学者として登場するのも興味深い。