ニューヨーク・フィルハーモニック
- ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」op.92
- チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35
- ベルリオーズ:幻想交響曲op.14
- (アンコール)ビゼー:《アルルの女》第2組曲より《アダージョ》
- (アンコール)ビゼー:《アルルの女》第2組曲より《ファランドール》
- リディア・バイチ(ヴァイオリン)
- ロリン・マゼール(指揮)
名高いマッシブさ、豪奢な音と指揮者による完璧なコントロール、そして時折顔を出す、リズムやパートバランスでの珍奇な《遊び》。なかなか面白い演奏であった。しかし、何かが足りないような気もする。マゼールが制御し過ぎてオケの自発性を奪い去っているからか、そもそもあんまりやる気がないのか。表現が難しいのだが、《弾むリズム》というものがなくて、本音を言えばムニャムニャという感慨を抱いて帰途に着いた。トスカニーニ・フィルの時は、オケの平均年齢の若さでここら辺をカバーしていたのかも知れぬと、今にして思う。バイチはちょっと粗かったような……。勢いはありましたけどね。