探偵家族/冬の事件簿/マイクル・Z・リューイン
- 作者: マイケル・Z・リューイン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/01/11
- メディア: 新書
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慣れたからか、『探偵家族』よりは楽しめた。しかし、本当に個人的な話で申し訳ないが、ホームドラマを心底楽しいと思ったことがないので、微妙な思いは拭いがたい。もちろん、《探偵家族》シリーズを悪い作品と断じているわけではない。事実、本作においても、サルヴァトーレの珍しい動きや、ママの息子を思う心、いつもはサルヴァトーレと反目しているのにそこはやっぱり父親である親爺さん、そしてデヴィッドの恋。ここら辺は特記事項。アンジェロ&ジーナ夫婦の掛け合いも面白いし、マリー・デヴィッド姉弟の口喧嘩も面白い。シチューエーション・コメディも外さない。しかしやはり、どうしても私はこの世界に入り込めないのである。もうちょっと黒い方が好きだなあ……。言い掛かりであることは自覚しているので、これらはいかなる意味でも作品の瑕疵たり得ないと言明しておく。
ただし、視点と場面がものの数ページでコロコロ切り替わる構成は、長編には不向きであろう。お好きな方はどうぞ。