不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

東京交響楽団

  1. 武満徹:グリーン
  2. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
  3. (アンコール)シューマン:献呈(リスト編曲)
  4. バーンスタイン交響曲第2番《不安の時代》 ※
  5. (アンコール)チック・コリア:スペイン ※

 先月は京響との混成部隊であったが、やはり今日の方が響きが良かった。オーケストラとは、アンサンブルとは残酷なものですな。ということを《グリーン》を聴きながら思う。武満のモコモコした響きをよく表現していたように思われた。秋山もこういう曲振らせると流石ですね。
 ジョン・ナカマツはテクニックのある奏者だったが、スムーズな流れを重視するタイプ。打鍵もちと大人しい。ラフマニノフは正直少々物足りなかった。この曲、これで実演は4回目だが、一発目が神過ぎて(ブロンフマンゲルギエフ指揮ウィーン・フィル)以後何を聴いても満足できないのである。ナカマツの演奏は、その中でも特に、個人的にこの曲に求めるものと違ったものだった。アンコールはとても好印象だったので、このピアニストは他の曲で聴いてみたい。ラフマニノフのピアノ協奏曲なら、第2番の方が似合いそうです。
 後半は佐山雅弘(浅黒い肌と不自然に白い前歯の対比が不気味)の独壇場だったが、東京交響楽団も好演して素晴らしい演奏となった。そもそも、バーンスタインの曲を素晴らしいと感じたのは今日が生涯初めてではなかったか。
 そしてアンコールのチック・コリア! ほとんど全くと言っていいほどジャズは聴かないのだが、正直これがこの演奏会の中では一番良かった。他にも何か聴いてみようかな……。