ラッカー奇想博覧会/ルーディ・ラッカー
- 作者: ルーディラッカー,Rudy Rucker,黒丸尚
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1995/07
- メディア: 文庫
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もちろんシリーズ外作品も色々と炸裂する。中でも、異星人のモニュメントが鮮烈な印象を与える「虚空の芽」、題名そのまんまの「宇宙紐だった男」、宇宙空間でAV撮影を企画する「宇宙の恍惚」辺りが出色。そしてこれほどまでに理系な男でありながら、ラッカーが「柔らかな死」で見せる宗教的要素は、彼の実像を探る上でなかなか興味深い。行間から「アメリカに帰りたいよぅ」というのが吹き零れている日本訪問記も、正直でたいへんよろしい。ただし、ラッカーのかなりの著作が絶版である今、日本における人気絶頂だった頃の来日譚を読むと、諸行無常の味わいがありますね。
「クラゲが飛んだ日」は『タクラマカン』にも収められているようだが、これも結構おバカ。しかしスターリング初体験がこれでいいのか俺。
というわけで、ラッカー入門には最適かもしれない一冊。お薦めです。