不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

禅銃〈ゼン・ガン〉/バリントン・J・ベイリー

 一時期反映した銀河帝国は、頽廃的空気が勝り衰滅しつつあった。帝国は他の惑星国家を傘下に組み入れる形で成立しているが、帝国本体における人間の数は激減し、ロボットはストライキを起こしているため、代わりに知性化された動物たちが労働力となっている。
 そんな中、エスコリア星域で究極兵器が出現したという中央コンピューターの《託宣》があったため、第十艦隊は急遽エスコリア星域に向かう。そのときエスコリア星域では、霊長目の全種を混合したキメラ(知性付き)が、古い銃の形状を持つ《禅銃》を手に逃走、道すがら伝説の戦士《小姓》を助けていた……。
 なんかもうワイドスクリーンバロックそれしか言えない。アホアホな想像力の炸裂を十分に楽しめる。基本的にネアカ(知能指数が低いわけではない)な雰囲気も手伝い、実は読みやすい作品でもある。短いしいつ品切れするかわかったものではないので、今の内に是非。