不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

血は冷たく流れる/ロバート・ブロック

血は冷たく流れる (異色作家短篇集)

血は冷たく流れる (異色作家短篇集)

 これまた洗練された素晴らしい作品集。SFもファンタジーもミステリーも、そして不思議としか言いようのない話も含まれているが、いずれもラスト(場合によって最後の一行)で見事にオチを付けてゆく。物語の構造としては、《終わってみれば非常に明白》な話が揃っており、さらに広い層にアピールできるとも言える。『炎のなかの絵』よりも好む人が出ても不思議ではない。
 クレイトン・ロースンに献呈されているのも要注意の、素晴らしい短編集である。