レフト・アローン/藤崎慎吾
- 作者: 藤崎慎吾
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 文庫
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集中のベストは「猫の天使」。猫の感覚をモニターするというシンプルなネタを基盤に、出鱈目と紙一重のネタに発展させつつ、微笑ましい独特なオチをつける。大傑作だがなぜか世評がそれほど芳しくない『ハイドゥナン』同様、石に眠る記憶・感覚を巡る「星窪」が次点。壮大なヴィジョン、私などはそれだけで魅了されてしまうのだった。
正直、その他の三編はさほど楽しめず。「星に願いを ピノキオ二○七六」は、もう少し長ければ情感的にやられていた可能性が高く、惜しい。「コスモノーティス」も、つまらなくはないのだが、いっそのこと地球外生命体の物語にし、難解さをまぶした方が良かったのではないかと思った。
で、表題作「レフト・アローン」は、正直どこを楽しめばよいか理解できなかった。たいへん申し訳ない。