摩天楼の怪人/島田荘司
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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お馬鹿な奇想がなかなか良い感じで炸裂する。摩天楼の高層ビルに巣食う怪人が色々やってくれるのは楽しい。そして、セントラルパークや摩天楼の、ちょっとしたガイドとしても味わい深い作品。反面、謎の派手さやドラマ面・主義主張面では、筆致が往年に比べ抑え気味*1である。自覚云々以前に単純な加齢現象と思われるが、本作に限ってはプラスの効果を生んでいて好印象。
というわけで、大傑作というほどではないが、じゅうぶんに楽しめる作品であろう。パラパラめくると、ネタが一撃でわかってしまうので、くれぐれもご注意を。
以下、未読の人は読まないでください。念のため反転もおこないましたが。
話の舞台が1969年って一体どういうことですか?『占星術』は1979年の事件だったはずで、その10年前に(いくら 自 由 なアメリカであっても)御手洗潔が助教授ってのはあり得ないように思う。ミタライと御手洗潔って別人なのでしょうか? それとも、何か私すごい度忘れしてるんでしょうか。正直『アトポス』より後の島田荘司をほとんど読んでおらず、ここ暫く彼からは離れる一方だったので、よくわかりません。知りたければ全部読まねばならんのか……。