不壊の槍は折られましたが、何か?

ミステリ書評家のブログのはずだが……。

新日本フィルハーモニー交響楽団

  1. オネゲル:劇的オラトリオ《火刑台上のジャンヌ・ダルク

 劇場ではないクラシック専用のコンサートホールにおける、管弦楽団定期演奏会で、どのような劇空間を造成するかが見物。雪が降っていることを暗示する、紙吹雪やら照明は安っぽいような気もしたが、その他のシーンでは非常に健闘。少なくとも、不快感は全く抱かなかった。特に語り二人には文句なし。
 そして、音楽面ではなかなか良い、端正な仕上がり。確かに細部に瑕は見られたが、何だかんだ言っても、ジャンヌ・ダルクに感情移入。ドラマと音楽の相乗効果により、やはり昇天のシーンでは感動してしまうのであった。傑作だと思う。